4月10日 教育実習:席の話
道にもう、雪も氷もありません。
アスファルト舗装ってなんて歩きやすいんだろうか。
1時間目:音楽
が、先生が病欠のため、IUP-MÅLの時間になりました。
ざっくり訳すと、「個人目標」
学期にいちどの三者面談でひとりひとりの目標を決め、それに向けて取り組む時間です。
目標は、「ヨーロッパの国を全部覚える」という具体的で教科学習的なものから、「プログラミングをできるようになる」、「動物の絵をうまくなる」というものまでさまざま。
都道府県クイズのようなスウェーデンの地域名パズルをせっせと解いている子、プログラミング学習サイトで簡単なゲームを作っている子、You-Tubeのイラスト講座を見ながら次々に絵を仕上げていく子。みんな楽しそうです。(パソコンの真横で水彩絵の具はまずいんじゃないのと思った)
2時間目:算数
平均とか中央値とか、データの計算のあたりです。懐かしい。
ところで、教室の席配置についてひとつ。
クラスに授業中によく出歩いたり、踊りはじめたりする子たちがいます。先生の指示をじっと待ったり、長時間何もしないで座っているのは苦手。
典型的な多動の傾向です。私は自分の小学校の頃を思い出して、勝手にものすごく共感。
以前から、そんな彼らの席が教室のなかでなぜいちばん後ろなのか、不思議に思っていたのです。
先生が席を決めるので、何か理由があるのか、それとも単にそうなっただけなのか。
彼らが先生の話の最中にすぐ机の中をガサゴソしはじめたり(それでも話は聞いてるんだよね、わかるわぁーと思いつつ)、思ったことはその場で発言せずにはいられなかったりするとき。
先生は最後尾の席を注意しようと思ったら、少し大きい声を出さないといけません。他のことに注意がいっているときにこちらに向かせようと、何度か名前を呼ばないといけない場面もあります。大きめの声で。
それなら最初から、前の席にしておけばいいのにと思っていました。
クラスみんなに聞こえる声で名指しで注意されて、うれしく思う子ってそうそういない気がします。
今はこれをする時間だよとか、質問があるときは手を挙げてとか、先生が直接声をかけないといけない場面は、たしかに他の子よりも多くなりがちです。
それならすぐにそう言いやすいような、近くの席に座らせればいいんじゃないのかな?と。
ですが、今日ようやく理由に気づきました。
先生たち、基本的には彼らに好きに動かせているんですよね。注意するのは、極端に周りの子が迷惑するような大きな鼻歌とか、走りまわるとか、そういうときだけです。
それ以外は、踊りたければ算数ドリルの時間に踊っていてもほうっておくし、一日中ずっと逆さまにした椅子でゆらゆらやっていても何も言わない。
動きたいようにさせておく。
担任の先生曰く、最近こういう方針をとるクラスが多いのだそうです。
家に帰って情報を探したら、ありました。
For decades, frustrated parents and teachers have barked at fidgety children with ADHD to "Sit still and concentrate!"
But new research conducted at UCF shows that if you want ADHD kids to learn, you have to let them squirm.
The foot-tapping, leg-swinging and chair-scooting movements of children with attention-deficit/hyperactivity disorder are actually vital to how they remember information and work out complex cognitive tasks, according to a study published in an early online release of the Journal of Abnormal Child Psychology.
The findings show the longtime prevailing methods for helping children with ADHD may be misguided.
記事をざっくりまとめると、「研究の結果、ADHD傾向のある子たちにとって、ガサゴソ動くことは記憶や学習をたすけているとわかった」みたいな。だから、じっとしてなさい!じゃなくて、好きに動かせておくのがいちばん、みたいな。
恥ずかしながら、これは知りませんでした。
動きたい欲求はどうしようもないこと、それ解消するためにプリントを配る役目だとか授業中何かしら動く機会を与えること、さまざまに刺激の種類が変わるような授業を展開すること、そういうのを主な対処法だと思っていました。ああ不勉強だ…。
たしかに、終始イスの上でバタバタしている子が前の席にいたら、今度は他の子たちが気になって集中しづらくなってしまいます。
だから、いちばん後ろの席だったんですね。その子が好きなように勉強していても、周りの子は視界に入らないので気になりづらい。
納得。スッキリ。
ちなみに、このクラス含め、ほとんどの学級では先生が席を決めます。
クラス内でこどもが安心できるように、悲しい思いをしないように、教室だけでなく、ランチルームや特別教室内での席配置もすべて先生が決めるのが一般的なのだと実習担当の先生が話してくれました。くじびき式もあるそうですが、稀なんだとか。
私の小学校ではくじ引きがいちばん多くて、あとは「隣の人だけ決めてあとはランダム配置」とか「女子が決められた席の中から先に座りたいところを選んで筆箱をおいて教室から出て、後は男子が残った席を選ぶ(好きな女の子の筆箱を覚えておくのがカギ)」とかいう謎システムでした。
もちろん視力が悪い子とか「前の席座りたい人ー?」っていうのはあったけれど、基本的に先生が全部決めるというのは記憶にありません。他の学校や地域ではしらんけど。
給食の時間
こどもがふたり、配膳カウンターの厨房側にいました。
聞けば、今日のランチ係の5年生。
低学年の子におかずをよそってあげたり、厨房のお手伝いをするというのだそうです。
毎日いるわけではないので、週1回とかかな。
黒い帽子に白スモックが、小さなコックさんみたいで可愛いです。厨房のおばちゃんがカメラで記念撮影をしていました。
今日の日替わりメニューは、ミートソーススパゲッティー。
このゆるゆるな麺。
やっぱり学校給食のソフトめんを思い出して、懐かしさに胸をかきむしられます…。
4時間目:英語
教科書の内容は、ロンドンの町を観光するというもの。
先生が「じゃあ各グループで、英語で3回、スウェーデン語で1回音読すること」と指示していました。
教科書をその場で口頭で訳して読むって難しくない!?と驚きましたが、子どもたちは慣れた様子でさらっとこなします。
言語的に近いからこそできる方法だよなあと思います。日本語だと、ひとつひとつ逐語訳しづらいし。
その後はペアでの調べ学習。
ロンドンの行きたい観光スポットについて英語で情報を集め、パワーポイントにまとめて短いプレゼンテーションをします。
英語で調べものって4年生からハードだな…と見ていたら、みんな器用にGoogle翻訳を駆使していました。手の抜き方もさすがデジタルネイティブ。
今日も発見がありすぎて、手が追いつきません。良い一日です。