さむがりがさむいところへ

スウェーデン北部にある小さな町、ウメオに1年留学をすることになったので、日々の写真とマンガ日記と思ったことメモと教育実習日誌

12月11日 うさぎさんち<前編>:こんなところに日本人!④

ブログを通じてまたひとり、ウメオ在住の日本人の方と知り合いました。

ご厚意で、息子さんのお迎えに一緒に連れてくださってくれるというので、お邪魔させてもらうことにしました。

今日に限って外は吹雪いているけれど、もう朝からワックワクです。

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バスに揺られること40分。

乗り過ごしたんじゃないかと不安になって、隣に座っていたおばあさんに「このバス停まであといくつですか?」と聞いてみました。

スーパーの店員さんを除いて、スウェーデン語で初対面の現地人に話しかけるのは初めてです。第一歩がんばった私。

 

すごく丁寧に長く答えてくださったんですが、例によって語彙が少なすぎるので、前置詞と"Jag" ="I"、"dig"="you"ぐらいしかわからない。

でも唯一、"Jag också!"=”Me too!”だけ聞き取れたのと、なんかニコニコしてたので、どうやら同じ場所で降りるようだとわかりました。

ものすごい達成感!がんばったがんばった私、偉いぞ私。

 

 

 

ということで、なんとか着きました。

北欧雑貨やキャンドルがあってたいへん可愛いお家だなあ、やっぱここはスウェーデンなんだなぁというのが第一印象。しかし片隅に見慣れた日本の炊飯器を見つけて、なんだかとっても安心しました。

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訂正、ちびウサギ(小)くん、スウェーデン数えで小2じゃなくて小1。

子どもたちの学校が終わる時間まで、ウサギさんとフィーカしました。手作りシナモンロールがふわっと甘くてとってもおいしかったです。

フィーカと言いつつ・・・

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クリスマスに飲むという特別なお酒が出てきました。Glögg(グレッグ)というそうです。赤ワインにシナモンが入っているそうで、いろんな種類があるんだとか。

写真右、Hjortronsylt(ひゅーとろん)というお酒を少しもらいました。

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酒法の厳しいスウェーデンでもスーパーで買えるくらい度数が低く、あっためて飲むんだそうです。甘くて不思議なベリー系の味で、私これ好きです。甘酒みたいなノリなのかな。

ちなみに後から調べたら、”Hjortronsylt”という語そのものは、ホロムイイチゴ(クラウドベリー)という果物を指すようです。

ホロムイイチゴ - Wikipedia

「ホロムイイチゴ」の画像検索結果

「日本じゃなかなかマイナーだけど、北欧ではよく使われるみたいでねー、おいしいの!」とウサギさんが、クラウドベリージャムも用意してくださいました。

カマンベールチーズと一緒にパンにのっけると、甘いんだけど苦いんだけどコクがあって少しすっぱいような・・・今まであまり食べたことのない、とってもとっても大人な味。ワイン好きの友達たちに作ってあげたくなりました。

 

 

いいことをいっぱい教えてもらいました。

例えば、小学1年生の時間割を見せてもらったり、親の立場から感じる日本の小学校との違いの話を聞かせてもらったり。

スウェーデンの教育システムやざっくりしたカリキュラムについては、ここの授業で習っていましたが、実際に学校のプリントや写真を見ながら当事者の話を聞くというのはすごくおもしろいです。詳しくは後述。

 

あとは、私が興味をもっていた、この町の子どもとかかわれるボランティアや、母国語教育のなかの日本語クラスの見学などについて、全く知らなかった情報をたくさんもらいました。

ネットや大学で調べて出てくる情報量は、誰かと話したり知り合ったりして偶然得られる情報や、つなげてもらう関係にぜんぜんかなわないんだなあと思って。もしかしたらそれは、とくにここが都会ではなくて小さな町だからなのかもしれません。インターネットや街中の広告より、直接的な人どうしの関わりやコミュニティーが大きな役割を占めるのは、全体の規模が小さいから。あと何より、私が現地語ではまだ情報収集できないからかな。

でもこうして今、助けてもらったり、周りの世界とつないでもらえたりする現地の日本人の方々とは、ブログを通じて知り合ったわけで・・・。


紅茶をもらいながら、ぼんやり妹や後から留学にくる人に伝えたいなあと思ったこと。

人とつながることは、思っていた以上に大きいということ。言葉にするとやっぱりありきたりだなあ。

いいか妹。知らない土地に行ったら、うざいぐらい社交的になれ。ガンガン話しかけろって意味じゃない。単純に誰かと知り合うことに貪欲になれ。現地人でも日本人でも留学生でもいい、とにかく窓口を多く持て。無理しない範囲で。

 

 

 

話が逸れました。

地元の小学校の学童にちびっこウサギくんを迎えに行きました。

小学校や学童の建物についてもたくさん発見があったんですが、それはもう少し詳しく調べてからまとめます。

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学童の建物内、お迎えに来たときは靴を脱がなくてもいいように、入り口に靴カバーがいっぱい置いてありました。雪用ブーツとかだと脱ぐのもひと苦労だし、おもしろいなーと。

 

子どもたちの間ではアイロンビーズが流行っているらしいです。ピカチュウやマリオ、ハム太郎など見慣れた日本のアニメキャラクターのアイロンビーズ作品も、モビールになって天井から吊る下がっていました。

ちびウサギくんがフシギダネアイロンビーズを完成させるまでの間、部屋の中を見学させてもらえることになりました。先生のおじさん優しかったです。

 

「お迎えに来るの、ほとんどお父さんだよ。見ててごらん」と言うウサギさん。

実際、30分ほど座って見ている間、やってくるのは仕事帰りのお父さんばかりでした。

だいたい4時5時には仕事が終わるのだそうです。で、6時7時には夕ごはん、というのが一般的なんだとか。

中心街のお店も、ショッピングセンターも、図書館も、ほとんどは午後4時で締まってしまうこと。
まったくこの町は不便だなあと思っていたけれど、作業着のゴッツイ髭面お父さんたちがいそいそお迎えにやってきて子どもの名前を呼ぶのを見ていると、なんか心がワシャワシャします。

 

これもまた、首都ストックホルムでは事情が違うのだと思いますが。

それにしたって、静岡県で家族1000軒を午後6時にノックして、「コンコンコン、今おうちにパパいますか?いつも一緒に夕ごはん食べますか?」って聞いたら、一体どれだけのおうちが「はーい」って言うんでしょう・・・。

どっちの方がいいとか、さぁみんなでウメオの働き方を見習おう!という話をするつもりはなくて・・・とりあえず、ああ心がワシャワシャする!ガシャガシャする!ようするにとっても羨ましく思ったんだと思います私。

 

おまけ。

トイレの掲示物。

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いちばん上の写真がなんかじわじわくる。

 

そういえば、途中でフルーツの時間がありました。

子どもたちがわらわらと部屋の外に出ていったかと思えば、りんごやバナナをもぐもぐしながら戻ってきます。そしてまた、アイロンビーズやら塗り絵やら、部屋の思い思いの場所でフルーツを片手に遊びに戻ります。

私はおやつの時間といえば、食べ終わるまで席を立ってはいけない、食べながらおもちゃで遊んではいけない、というイメージだったので、これまた驚きました。

ウメオ大の期末試験のときに、「持ち込み物めっちゃ厳しいくせに、なんで机の上にオレンジ積んどくのは良いの!?ガムもミンティアもダメなのに!?」と納得がいかなかったり、試験中に隣からシャリシャリとりんごをかじる音がして横を見たくて仕方がなくなったりしましたが・・・

バナナをにぎりしめながら一生懸命絵を描いている子たちを見ていると、なんだか納得したような。そりゃフルーツに対する考え方も大きく違ってくるよね。

 

 

 

校庭には、大きな雪玉がごろごろ。

ゆきだるまの作りかけなのかと思っていたら、帰り道にちびウサギくんがぴょんぴょんと上を歩いたり、跳び越えたりして遊んでいました。

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「おねーちゃんこれ跳べる?なんでやんないのー」と言われて。

「おねーちゃんだってやりたいよう!」と返すと、「やればええやーん」と首をかしげられました。

やりたいようやりたいよう!そんなふうに雪で遊べるなんて知らなかったよう!でも雪玉の上を跳ねるには、おねーちゃんもう大きすぎるんだよう!

ああ子どもに戻りたい。ああ私のちびっこ時代にも雪があったらな。

 

帰り道といえば、もうひとつ。

 

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そっか、この子はランドセルを知らないのか。小学校といえば、それはスウェーデンのカラフルな小学校のイメージなのか。

そりゃそーだという当たり前のことなのに、とってもとっても驚きました。

 

外国では小学校にランドセルが当たり前でないらしい、ということは、私の頭のなかで「外国の文化」という扱いなんです。”彼ら”にとってはそうらしいよ、みたいな。

それが、自分が無意識に「この人は日本人。この人は私と多くの文脈や背景を共有しているだろう」と思っている相手、”こっち側”だと無意識に認識している相手から、”彼ら”の文化が出てきたから、のーみそが驚いているんでしょうか。わかんないけど。

まだまだ頭の中の仕切りは多いなあと感じます。

 

 

今日は話が逸れすぎて長くなったので、続きはまた次回。

 

 

 

 

 

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