9月24日 Quelle belle journée
シーカヤックに行ってきました!
ウメオは比較的海に近いので、車でわりとすぐだそうです。
行きも帰りもがっつり寝てたので、正確な時間がわからないですけど。(マキシムさん運転もありがとうございます。あと、カメラ係もありがとうございます)
ちょっと天気は微妙なのですが・・・後から晴れてくることを祈りつつ。
ちなみに今日は、くれめんと彼の知り合いのドイツの子3人と合わせて5人という謎メンバーです。私はその3人と初対面。
なのになぜ来たかと言うと、それぐらいシーカヤックがやりたかったから!
去年の夏休み集中授業で虜になって以来、ずーっともう一度できればなあって思ってたんです。日本ではなかなか機会がなかったので、こちらでできることになってとってもハッピー!
ただ、
海水が。
茶色い。
イッテQ風に言えば、「この水は生きていますか?死んでいますか?」というかんじ。
あと、
もちろん全員、ライフジャケット借りましたとも!
でもこんな適当で本当に大丈夫なんだろうか・・・
そんな不安を抱えつつ。
寒空の下、ボスニア湾(たぶん)に漕ぎ出しました。
湾のなかは波がほとんどなく、湖のようなかんじです。
あちこちに散らばる小島に上陸していくことにしました。
ひとつひとつの島がけっこう離れています。沖へ出ると波が高くなり、なかなか漕ぐのが大変です。
腕が疲れるとわかっているのに、ついついスピードを出したくなります。
潮風をきって漕いでいくのがすごく楽しいんです。カヤックの先が広い海を割いていく感覚、水を押してぐんぐん進んでいく感覚がやみつきになります。
いろいろな島を回りました。
島によって、どこまでも岩ぼこだけだったり、
鬱蒼とした木々のなかに別荘があったり、
小さいけれど砂浜があったり、
いろんなバイオームがあっておもしろいです。
上陸してまず足を下ろすたび、感触が毎回違うんです。ごつごつ、ふわふわ、じゃりじゃり。
「ここの地面はふかふかとパチパチだね。苔と小枝がいっぱいだからだね」って、言いたかったのに。
この「ふかふか」は"fluffy"とは違う気がするなあ、もっと湿ってるよなあ、パチパチってそもそもなんて言うんだろう・・・って考えているうちに、もう通りすぎちゃうんです。
言えなかったな。
言えなかったといえば、もうひとつ。
カメラを向けられたので、
横蹴りのポーズをとりました。(部活と道場の方々!これ不安定な岩の上なんです!ほんとはもっとちゃんとできます!だから怒んないでください!)
そうしたら、「オー!カンフー!」「カンフー・パンダ!」とそこそこウケまして。
「いや、これはテコンドーなの。韓国の武道だよ」って訂正し損ねてしまって、しばらく「ヘイ!カンフーパンダ!」と呼ばれました。
そうそう、去年、3日間シーカヤックをやったときとのいちばんの違い。
良くいえば”スリル”、悪くいえば危険性!
波に大きく揺さぶられたとき、前回は「きゃ~おっこちちゃう~♪」っていう軽いノリだったんですよね。夏の真っ盛りで暑かったし、スイミングウェアだったし。
それが今日は、なかなかに寒いくもりの日だし、分厚いコート着てるし。落ちたらわりとシャレにならないレベルです。
「ひっくり返りたくなかったら、とにかく漕ぎ続けること」と去年の講習を思い出して、もう必死で腕を動かすしかありません。
モーターボートが残す波が来たときとか、ほんと怖かった!
にしても、潮風ってほんとうに気持ちがいいです。
丘の上でピクニックをするならそよ風が好きだけど、岩の上でじっと景色を眺めるときは少し強めぐらいの風が好きです。
近くに樹があると、風は目に見えて、耳にも聞こえるように思います。枝が大きく揺さぶられたり、木全体が首をかしげたように傾いたり、しゃらしゃらざわざわ葉が鳴ったり。
でも近くに岩と水しかないところだと、風がやってくるのが見えないし聞こえません。そのぶん、髪とか、ほっぺたで感じます。これも悪くないな、と思いました。
さて、大きい岩にたどり着くには、海面からひょこっと顔をだした小さい岩を渡って行かないといけなかったりします。
バランスをとりながらぴょんぴょん飛んでいくって、私がものすごく苦手な分野です。
右側のくれめんのいる大きい岩のとこまで行くチャレンジ。
わりと距離があって無理だと思ったんですが、なんと無事にたどり着くことができました。私の運動神経を考慮すると快挙です。よくがんばった私!
ちなみにそれは、くれめんの助けがあった行きの話。
陸への帰り道、つるっとすべって、右脚が膝まで海に浸かったことは言うまでもありません。
あ、でも、とってもいい写真をゲットできたのでおっけーです!
たしか私、「ここ綺麗!私のホーム画像にする!とってとって!」と陸地に向かって注文したんですよねー。
いやはや、ズボンびっしょになった甲斐がありました!
お昼ごはんは、丸い岩と石の並ぶ小島でとることにしました。
ちょうど日も出てきて、ほんのりあたたかいです。
日本で「昼食持参」といったら、やっぱりたくさんのおかずがぎゅうっと詰まったお弁当箱や、三角のおにぎりを連想します。
大学に入ってからはコンビニで買ってくる人が多くなったけれど、それでもやっぱり手作り弁当の子は一定数いたし。
たまごやき、たこさんウインナー、ブロッコリー、きんぴら、からあげ・・・いろんなものが少量ずつというのが定番なのではないでしょうか。あと、誰しも必ずひとつは、自分のお弁当箱をもっているように思います。
だから、海外ではお弁当という文化がないと聞いて、すごく不思議だったんです。
たしかにお弁当箱を売っているところなんてぜんぜん見ないし、大学で見かけることもほぼないし。
なんていうか、なんていうか・・・上手く言えないんですけど。
ほんと、「食料」ってかんじなんです。
サバイバル感があるとでもいうんでしょうか。
だから入れ物も、「入れるためだけ」のもの。タッパとお弁当箱って機能的にはそんなに変わらないはずなんですが、なんでこんなに印象が違うんだろう。
堅パンもそうだし、パックのミニトマトも何をするでもなく、そのまま手でバクバク食べていました(一粒もらったらすごくおいしかった)。
私、日本でゆでたまごやきゅうりをそのまま大学に持っていって食べては、よく笑われていたんですけど、ここではそれも普通に受け入れられる気がします。
もしかして日本のお弁当作っていったら驚かれたのかな、とは思ったんですけど。
「キッシュとブラウニーで良ければ作ってくよ!」という前日のくれめんの言葉に甘え、ありがたくいただいた私でした。
とってもおいしかった!
その後、いくつかの島を経由しながら、ずいぶん遠いところまで来ました。
そろそろ帰らないとね、という頃になって空が陰りだし、
雨こそ降らないものの、気温が一気に下がります。
ときどき思い出したように太陽が顔を出しますが、その暖かさも風で吹き飛ばされてしまいます。
しかも、それが向かい風。漕いでも漕いでも、ぜんぜん進みません。
私は真っ先にヘタってしまって、いちばん後ろをなんとかついていくかんじでした。足をひっぱってしまって申し訳なかったけれど、みんな励ましてくれたり、世間話をしてくれたり、とっても優しかったです。
行きはじぐざぐ、あちこち寄りながら来たところを、帰りはまっすぐに船着き場まで戻らなければなりません。
体力が続かないので、海の真ん中で記念撮影。
みんなで船をくっつけてわちゃわちゃするのとっても楽しかった!
でもその間に、船は反対方向へけっこう流されていまして。
がんばって近づいたはずの島が、また遠のいている!
楽しいんです。
ただ長時間だったのと寒いのとで、体力がじりじり減っていくだけなんです。
でもやっぱり楽しいんです。
ずっと歌いながら漕いでいるところを激写されていました。写真が届いてから見つけて、だいぶ恥ずかしかった。
だって!!!すごく気持ちよかったから!!!
陸を出発したのが午前10時ぐらい。
帰りついたのは午後6時前だったでしょうか。
念願のシーカヤック、満喫しました!
今日は、いい一日。
フランス語では、 Quelle belle journée と言うそうです。
ずいぶん前に習ってはいたけれど、ぜんっぜん覚えられなかったんですよね。
でも今日一日、何度も言って、すっかりマスターしました。
ほんとは、直訳すると "What a beautiful day!"らしい。後からその日を振り返って言うには、ちょっと違うみたいです。
だけど、とりあえずこのフレーズ気に入ったからいいや!
けるべるじょねー!
今日は、いい一日。