さむがりがさむいところへ

スウェーデン北部にある小さな町、ウメオに1年留学をすることになったので、日々の写真とマンガ日記と思ったことメモと教育実習日誌

4月9日 教育実習:七日目(一年生と踊ろう)

月曜日の朝は、職員会議から始まります。

といっても簡単に週の予定や連絡事項を確認するだけの朝礼です。10分もかかりません。

子どもたちに授業をするときと違って先生たちは普通の速度で話すので、私は話の内容がさっぱりわかりません。

でもまじめな顔で担任の先生の横に立って、あたかも「なるほど、今週はそんなことがあるんですね、了解しました」という顔で聞いておく。・・・きっとほんとうは先生たちお見通しなんだろうなあと思います。

 

 1時間目:社会(4年生)

「学校は何のためにいくの?」という単元でした。

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2時間目:算数(4年生)

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連続休暇の後ということもあってか、全体的に子どもたちの集中力がなかったような。

いやーやっぱり休み時間なしで90分ぶっ続けってきついと思うんですよね。いくら途中で教科が変わるとはいえ。

 

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簡単な計算問題や、絵や図をつかって説明できる問題なら助けてあげられるんだけどな・・・。でも基本的には「わかんないねー困ったねー」と一緒に言うだけの役立たずな私です。

 

 

 

さて、今日は、1年生のクラスを見学させてもらえることになりました。

 

3時間目:英語(1年B組)

一クラス20人で、いくつかの授業ではそれをさらに半分にします。

それを子どもたちはあらかじめ「赤グループ」「緑グループ」として伝えられています。ボードに色マグネットを使ってどちらのグループが今何をすべきなのか、わかりやすく示されています。

ちなみにもうひとつのクラスでは青と黄色で、学年が一緒に授業を行うときも「青グループはこの教室、赤グループはここ、」と子どもが動きやすい指示ができるそうです。

ふと思ったんですけど、赤と緑のマグネット、文字が書いてなかったんですよね。ただ色で見分けるようになっています。明度が同じくらいで、色盲がある子には見づらいんじゃないかな?と思った。赤と緑じゃなくて赤と水色、もう一クラスの方を緑と黄色にしたらどうだろう。

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国語の授業で、アイパッドを使います。

「"Ö”が入っている単語を使った文をできるだけたくさん作りましょう」という問題。手書きのかわりに、アイパッドをタッチして打ち込みます。

 

これは最近急速に普及している方法だそうで、大きく2つの利点があります。

 

ひとつは、子どもが鉛筆を使って書くというステップでひっかからずに、文を作ることに専念できること。

この年齢ではまだ運筆がおぼつかず、ひとつひとつ字を書くということにとても時間がかかることが少なくありません。そしてそこに気をとられすぎると、例えば情報を書き写すだとか、物語を作るだとか、その授業本来の目的に集中できなくなってしまうことがあります。

そこでアイパットなど「書く」必要のないツールを使うことで、全部の授業が「字を書く練習」になってしまうことを防ぐことができます。

ちなみに運筆練習は、別の時間にあるそうです。ただそれは文字を書くというよりも、模様だったり楽しげなワークなのだとか。また見てみたい。

 

 ふたつめは、音声読み上げツールを使った耳からのフィードバックで、子どもたちが自分で文法やスペルの間違いを直せること。

詳しく説明します。

子どもたちが使っていたアプリでは、
①キーをタップすると、入力したその文字
②スペースキーで、その単語
③ピリオドキーで、その一文
がアプリによって読み上げられます。

例えば、"She eats an apple."と入力したいとき

"appll"とスペルミス →「あれ、アップルって打ったつもりなのに、そう聞こえない」→「どこかで間違えたのかな」

"She eat"と文法ミス →「聞いてみると、なんかおかしい気がする。こんな言い方しない」→「どこがおかしいんだろう」

とくにこの③.日本語でもそうですが、多くの言語ではまず、読み書きよりも話す聞くが先に発達しますよね。教科書を読む声がたどたどしくても、その子の話すスピードや聞き取れる会話の速さが同じくらい遅いわけではありません。文法もまた然り。

「聞くとなんだか変なかんじがする文」というのが存在します。とくに母語なら、子どもたちは文法的な細かい理由がわからなくても、どこかがおかしいということに気付けたりします。

このように、先生に毎回指摘される前にセルフチェックができるわけです。

説明されて、思わず感嘆の声が出ました。すごい。これぞITの活用のお手本のような例。

  

もちろんこれらがすぐに日本の学校で応用できるのかといえば、様々な面からほど多いけれど(日本語の言語的な特性やら普通に予算うんぬんやら)。

やっぱり実際に使われている現場を見れたのは大きいです。

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 さて、1年生の授業もこれまた長く。

時間割では、この授業一コマが70分。

当然、7歳児の集中が続くわけもありません。 残り20分を切ったところで、先生が「じゃあ、GooNoodleの時間だね!」とみんなを教室の前に集めました。超喜ぶ子どもたち。

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突如始まる、軽快なダンスミュージック。

教室を跳ね回る子どもたち。みんなわりと動きがキレキレ。美人先生の腰振りダンスはなんか色っぽい。

画面の中ではインストラクターのお姉さんだったり、キモカワなアニメキャラクターだったり、ヘラジカの着ぐるみがお手本のダンスを見せています。

ヒップホップから普通のポップ、クラブミュージックまで何曲もありました。これはおためし画面なので長くないんですが、教室用のは1つ15分くらいだったと思いますf:id:yukana777:20180421225125p:plain

「ほら、ユカナも!」と言われて、よくわからないけどぴょんぴょんしました。クラブとかいかないもん、とりあえず音楽に合わせて踊れと言われたって、なにをすればいいかわかんない。困る!

 

実はこれも、れっきとした教材みたいです。 

https://www.gonoodle.com/

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たしかに音楽はぜんぶ英語だったな。曲は普通にお店とかで流れてそうなエレクトリックなかんじで、なにかを覚える用の教材ソングという印象ではなかったけれど。

小学生の有り余るエネルギーを発散させるのには、いい方法なのかもなと思いました。

10分15分思いっきり動ければ気が済んで、その後の活動に集中できるというのはあると思います。そういう場合はまず興奮を落ち着けるのが大変なことが多いけれど、それ用のゆったりしたコンテンツもありましたし。

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いやぁ・・・でも衝撃でした。

スポーツでもホームパーティーでもオーロラ観測でも、人が集まれば音楽を流し。お酒が入れば踊りだし。どこもかしこもベースの音が響く音楽の国スウェーデン、ダンスピーポーなスウェーデン人はこうして育っていくのかと。

 

私、今いちばんカルチャーショックを受けている!

と思いつつ、今まで馬鹿っぽいと見下してたけど、意外と踊るの楽しいなって思いました。

 

 

 

給食を挟んで、4時間目:算数

これも1クラスが半分になって、10人ずつそれぞれ音楽と算数です。さらに算数のときは後ろに補助の先生がついています(後からわかったことですが、これは教員免許を持っていない方が多いお手伝い先生的な仕事です。また別の日に詳しく説明します)

子ども5人に先生がひとりついていることになります。手厚いなんてもんじゃない。むしろ日本の先生はどうやって1人で30人をまとめているのかと、早く東京の教育実習に行きたくなりました。

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足し算の問題文を作るという授業で、今回もアイパッドを使っていました。

母語の授業でない科目ならなおさら、文字を書くということ、文法的に正しい文を作ることでひっかかってほしくないので、活用できる場だなと思いました。

 

5時間目:理科

季節に関する授業。

「一年には、どんな季節がありますか?英語で言ってみよう!」というところが導入。みんなバンバン手を挙げてさらっと答えます。さすがです。

1年生にかぎらず、ちょいちょい授業の中で「それ英語ではなんて言う?」とか「今日は実習生がいるから英語で説明するよ」という場面を見かけます。私たち実習生が理解できるようにというのもあるだろうけど、なんか子どもたち慣れてるみたいなんですよね。ちょっとCLILっぽい。(What is CLIL? | CLIL Japan Primary

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ちなみに、「どの季節がいちばん好きですか?」というのを全員発表していたのだけど、
「春!」「春!」「夏!」「春!」「夏!」「夏!」「春!」「冬!」「春!」「春!」

というかんじでした。圧倒的多数派の春と夏。

 そりゃこんな暗くて長い冬の国じゃそうなるよな、と思った。

 

 

 

 

忙しさと絶不調のパソコンと忙しさで、ブログの更新は滞る一方です。書きたいことは溜まる溜まる。

ちゃんとぜんぶ残したいので、時間かけても絶対に実習分は書ききりたいと思います。