さむがりがさむいところへ

スウェーデン北部にある小さな町、ウメオに1年留学をすることになったので、日々の写真とマンガ日記と思ったことメモと教育実習日誌

1月12日 あかほりさんのあいうえお

話は1ヶ月ほど前に遡ります。

11月末、友人たちと行った日本料理店で、あいうえおの絵本を見つけました。

このハム太郎の絵本、50音を順番に示した、いわゆる「あいうえお本」になっています。

最近ひらがな・カタカナを読めるようになったフランス人くれめん、大喜び。

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一語一語たどって一生懸命読んで、ときどき「What is this meaning?」と隣のサバイバルさんや私に尋ねてきます。たいへん微笑ましい。

ただですね。

例文が、なんていうか難しいというか、いや難しくはないんですけど、とってもとっても意味を聞かれて困る単語ばかりなんですよね。

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「へ へ へ」は "sound of laughing"、「ぽっと」は"kind of onomatopoeia"。ここまでは、まだだいじょうぶ。

でも、"What is 「ひゃっくり」?"とか、"What is 「『ほっと』ほたる」?"とか聞かれて、一体全体なんて説明したらいいんですか。

ぱっと聞かれても、まー困る困る困る。

 

(中略)

 

日本人のちっちゃい子ども向けの日本語の50音絵本が、そのまま外国語として日本語を勉強している人向けでないことは、そりゃそーだという話だけれど。

くれめん、すごく気に入っていたんです。「この本いいなあ、持って帰れたらいいのになあ、こういう本僕もほしいなあ」って。

ということで。

作ることにしました。

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ごくごく初級の日本語学習者向けに、できるだけ簡単で汎用性の高い単語。文なら、教科書とかで習うのと同じ敬語体にすることにしました。

ただ、それだけなら市販のあいうえお絵本のほうがずっと優れているに決まっているから、オリジナリティーで勝負!手書き文字がアレなのはご愛嬌!

 

11月30日 たべるために、生きている!:こんなところに日本人!③ - さむがりがさむいところへ

 

ということで、書いていたあいうえお本。

なんとか、クリスマス前に完成しました。

 

ただ色を塗る時間がなかったので、開きなおって、色鉛筆と一緒にプレゼントすることにしました。くれめんは、とっても喜んでくれました。

 

そんなくれめんですが、今日寮の鍵を大学に返して、パリへ発つそうです。

途中まで色がついたあいうえお本。

さよならを言う前に、「あれどうなった?」って見せてもらいました。

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え:「えーっと」は、私の口癖らしいです。あいばんやくれめんがよくネタにして「エーット」って真似して笑ってたっけなあ。

駅、ウメオ駅を描いたつもりだったんですが伝わらなかったみたいで、めっちゃメルヘンなことになっていました。

 

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お:文の説明と読む練習をする前に色塗りをお願いしてしまったんですよね・・・絵がSUSHIとRICE BALLのことだと気づかなかったみたいです。

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く:ほんっと、説明を先にすべきだったんです・・・挿絵の意味が。

 

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こ:調子のって一発書きしてたら。文章においてこの本で唯一のミス。痛恨。

 

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せ:世間も世界も狭いもんなんだよたぶん。だから大丈夫だよ。中国だろうがフランスだろうが、またたぶん会えるよ、という意味を込めて。言わないけど。

 

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ぬ:どうしても入れたかった。”ごくごく初級の日本語学習者向けに、できるだけ簡単で汎用性の高い単語を”という原則を完全に無視してまでも。

 

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ぬ、ね、の、は、ひ、ふ、までは、まったりいやされるかんじを貫けたんですけども。

 

ここからが大変でした。雑なわけじゃないんです。がんばったんです。

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み:「みどり」=Green、教えたはずだぞくれめんよ。

 

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かねてから懸念していた ら行・・・。本当に元から日本語に「らりるれろ」は存在したんだろうかと思うくらい、ぜんぜんいい言葉が見つからんのです。

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本を開くたびに、夕食の会を思い出してくれるかなあ。あれ作ったな、これ美味しかったな、楽しかったなってほっこりしてくれるかなあ。

絵を描くのが好きな日本人いたっけな、って、ちょっとは私のことも思い出してくれたらうれしいなあ。

 

 

おしまい。

 

 

くれめん、土星の地下水に住むマンタの話で盛り上がれる唯一の友達。妄想仲間。

どうかフランスでも元気で。