さびしいは、あたたかい?
留学と関係あるような、ないような。
これも一種の心境なので、書き留めておきます。
みんなで遠くへ行った帰り道の中央線が、きらいです。
さびしいからです。
夜だとなおさら。車内で横一列になって、電線に並ぶスズメみたいに楽しく喋ってたりするとなおさら。
すごく楽しかった旅行とか大会とかって、いわば非日常じゃないですか。大好きな人たちと時間を忘れてわちゃわちゃできる非日常です。
それが中央線に入ったとたん、がたんごとんと日常に戻ってくるかんじがします。
あと何駅で、「おつかれさまです~」ってしなくちゃいけないなあと思うと、それまでが楽しければ楽しいほど、さびしくてどうしようもなくなります。
おととい、大会のあとの帰り道が、悲しくてしかたありませんでした。
たぶん、金曜夜から日曜夜までほとんどずっと一緒にいたからです。
あと、留学前最後の大会、最後の打ち上げだったから。
この大会で部長職を譲る先輩に打ち上げで渡した色紙(上手く描けたのでここでも自慢させてください)
「終わっちゃいましたね…すごく寂しいです」
と私が溜め息をつくと、同じく留学に行く先輩はゆっくりうなずいて、
「うん、寂しい。でも寂しいのって、どこかあったかいよね」
と言いました。
「すごく寂しいんだけど、そう思えることが、なんかあったかい気がする」と。
わかるような、わからないような。
「私は逆です。楽しければ楽しいほど、同時に寂しくなっちゃいます」
だって、そのうち終わるのがわかっているからです。
夜のディズニーランドでよく似た気持ちになります。
昼の何倍も綺麗でロマンチックでいっそう盛り上がって、なのにどこか切ないかんじ。
そこまで行かなくても、妹との布団の上でのふざけっこでも。
おなかの底から笑いながら、数秒間だけ変に冷静に「こうやって遊べるのも今だけだな」って思っちゃうというか。
小学校の頃にはそんなことなかったのにいつの頃からか、楽しいときには、そのなかに少しだけ逆向きの感情が混じることを感じるようになりました。
「たのしー!ってしているのが赤色なら、その奥には青があるんです。寂しいとか切ないとか。」
「でも、赤があって、青があって。その先にはまた、あったかい赤があるんじゃないかなあ?」
「言ってることはわかりますけど、私はやっぱりまだそこまで実感できません。
・・・さびしいものは、さびしいんです!」
私はそう会話を終わらせてしまったんですけど。
そのあとでちょこっとだけ、ほんっとちょこっとなんですが、先輩の言っていたことがわかりかけたようなそうでもないようなときがありました。
みんなが降りる大学の最寄り駅まであと数駅になったとき、隣に座っていた後輩の女の子が
「先輩、ほんとに行っちゃうんですか。行ってほしくないけど、行ってほしいけど、やっぱり行ってほしくなくて・・・わかんないです。すごくさびしいです」
と私に言いました。
「短い時間でこんなに仲良くなれると思ってなかったんです。先輩ほんとに行っちゃうんですか」と。
その目があんまり悲しそうなものだから、私が泣きそうになってしまいました。
胸がきゅうっと両側から押されるようにまた一気にさびしさがこみ上げてきたなかで、一瞬、「でも、ここまで言ってくれる後輩ができたんだ。この子とここまでの関係になれたんだ」とほわっと嬉しいような誇らしいような気持ちになりました。
もしかして、これがあったかい?
そんな人の心を学んだロボットのようなことを悟りかけたのも束の間
やっぱりさびしい!つらい!この感覚は好きじゃない!先輩言ってることわけわかんない!
と心の中で叫んだ日曜の夜でした。
画像もらったとこ
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