5月13日 こうしてトラウマは生まれる
まずは訂正。
先月高熱を出して、ウメオ大学付属病院の夜間診療に行ったときの話について
診療代、その場での支払いも請求もなかったのでひゃっほー!無料!と思っていたら、ちゃんと後から日本に請求書が届きました…。
で。
再び病院に行ってきました。
厳密に言うと、いちど前回と同じ大学病院の緊急窓口に行って、「これは地元のヘルスケアセンターに行ってください」となって、そこにいってきました。(病院に電話したらそこに行けって言われたから行ったのに…なんか大した怪我じゃないのに緊急窓口を使う非常識な人気分…大変申し訳なかった)
スウェーデンの医療システムでは、病気や怪我をしたときに、まず行くのはヘルスケアセンターというところです。
各地域に必ずひとつ、毎日朝から晩まで開いているヘルスケアセンターがあり、そこで診てもらってから必要なら病院を紹介してもらいます。たぶん診療所みたいなかんじ。
ということで、来ました
Ålidhem Health Care Center
ちなみに何をしたのかと申しますと。
恥ずかしながら昨日、人差し指をドアにサンドイッチしてしまいました。
公演直前だったのですぐに冷やしたり応急措置ができず、赤黒く腫れ上がる指先を見つめつつ、痛ぇ痛ぇと思いながら最終日を終えたわけであります。
スウェーデンに来てからどこもかしこも重く分厚いドアばかりで、いつかやるだろうな怖いなとは思っていましたが。
ああ留学残り1ヶ月にして、ついにやられた。というかやってしまった。
聞いてないのか、聞こえてないのか、聞き取れてないのか。
何にせよ、何をされるのかわからず処置台に寝かされることほど恐ろしいものはない。
注射だと思ってがんばろうと思ったけど、私注射も大嫌いなんです。注射より針太いし。刺され方もいまいちよくわかんないし。てかこのおじいちゃん先生大丈夫なのかな。おい助手お前若いだろ、通訳しろよ。
ようやく先生が何か喋ったと思ったら。
脅してどうする。
こうして、爪の上から、ぶすっとやられました。
そして、溜まっていた血液を絞り出します。
触らなくても眠れないほど痛いのに、両手で強く押し絞るなんて論外。
直視したら余計に痛くなると思って顔をそむけていたのに、
見るように言われた。Lookじゃねえよ。
だめです、治してもらってるとはいえ、痛いことされるとどんどん脳内の口調が荒くなります。
「今まで内出血で真黒くなっていた爪が、溜まっていた血を外に出したことでほら色が変わったでしょう」ということが言いたかったみたいです。たぶん。
さんざん絞られたあと、消毒してガーゼぐるぐる巻かれて、やっと終わりました。ガーゼを巻かれるのもめちゃくちゃ痛い。
"Now, you are free"と言われました。文字通り、ようやく解放されました。
「あの、骨は調べないんですか?だいじょうぶだったんですか?」と聞きましたが、例によってスルーされました。
まだ言葉の通じそうな助手さんに訪ねてみたら「I don’t know」。じゃあ聞けや。隣にいるだろうが先生。
ああ、痛かった。
ヘルスケアセンター、もう二度と行きたくないです。行かなくて済むように、残り一ヶ月はアホをしないようにがんばります。
左手でよかった。公演が終わったあとでよかった。大事にならなくてよかった。
友人に言われて、不満ブーブーだったのがようやくごきげんになった私です。
そのとおりだなあ。
よかったよかった。
気温はぐんぐん上がるし、日もどんどん伸びるし。でも芝生は薄茶色、木々も裸でぜんぜん景色は春っぽくないなぁ…と思っていたのが3日くらい前。
スウェーデン人の友達が「明日か明後日には、見違えるように木が緑色になるよ」と言っていたとおり。
ここ数日、急激に周りが緑に包まれていきます。
病院帰りに散歩していたら、つくし軍隊も見つけました。
つくしが出たら、もう証拠です。やっと、はっきりわかる。
春が来た!